胃の疾患

機能性ディスペプシア (FD)

機能性ディスペプシア (FD)とは

検査(内視鏡や腹部エコーなど)で異常がないにもかかわらず、胃や喉のあたりの不快感や胃の痛みなど様々な症状を感じる疾患です。日本人の1〜2割がこの病気に悩んでいるといわれており、多くはストレスや生活環境の変化で悪化するとされております。
治療としては、今の症状にあった胃薬や漢方薬などの処方の調整を試みます。

【画像】ビジネスマンの腹痛

逆流性食道炎

逆流性食道炎とは

胸焼けや酸っぱいものが上がってくる、のどがイガイガするような症状は逆流性食道炎を疑います。

胃カメラで食道と胃の間が胃酸で炎症を起こしていないか確認できます。
原因は加齢による筋力の低下や姿勢、生活習慣では食後すぐに横になったりすることで起きます。

胃酸分泌を抑える薬を飲むことによって改善が期待できます。

慢性胃炎

慢性胃炎とは

ピロリ菌が関連する「萎縮性胃炎」とピロリ菌の存在しない胃にある「びらん性胃炎」が主な慢性胃炎となります。
後者は症状をきたすことはまれで、健常者にも多くみられますが、萎縮性胃炎は胃潰瘍や胃がんの母体となりますので、積極的なピロリ菌の除菌の適応となります。
ピロリ菌がいなくなっても胃がんのリスクの上昇は止まりますが、リスクの低下はなくなりません。そのため内視鏡の定期検査が勧められます。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍・ヘリコバクター・ピロリ菌

胃痛や出血(黒っぽい便が出たり、吐血する)がある場合、胃潰瘍を疑います。

ヘリコバクター・ピロリ菌(以下ピロリ菌)は大半の胃潰瘍、十二指腸潰瘍や胃がんの原因となっており、退治すると潰瘍の再燃予防になります。

ピロリ菌

ピロリ菌の除菌について

通常の診察、あるいは健康診断でピロリ菌陽性となった場合、胃カメラで萎縮性胃炎が確認できた場合、ピロリ菌は保険診療で除菌できます。
1週間の飲み薬で約9割の方が成功しますが、1割の方は除菌ができていない場合がありますので、除菌薬を内服した2~3ヶ月後に、呼気(ユービット)で本当にピロリ菌が除菌されたかの確認を行わせていただきます。
除菌できなかった場合は、少し薬を変えて2回目の除菌を試みます。

ピロリ菌の除菌について

胃がん

主にピロリ菌による萎縮性胃炎によって起きるがんが最も多く、ピロリ菌を除菌しても胃がんのリスクが高い状態が継続します。
ピロリ菌の感染率の低下に伴い、減少する見込みですが、日本の死亡数は今なお男性の2位を占める疾患です(2020年国立がんセンターがん統計)。

早期で発見できれば、胃カメラでの切除、根治が可能なため、定期的な胃カメラでの検診が大切です。

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