大腸の疾患

大腸がん

日本の死亡数は男性は3位、女性は1位の疾患となっており、(2020年国立がんセンターがん統計)日本人に多く発生します。
原因はいまだよくわかっておりませんので、早期発見することが大切です。ポリープ(腺腫)が大きくなったり、悪性転化した場合にがんになることが多いため、ポリープの段階で切除すれば、がんの発生が抑制されます。多くの方が健康診断の異常(便潜血陽性)で大腸カメラを受けますが、40〜50歳になったら何もなくても検査をおすすめします。
一度でも検査を受ければ、大腸がんの死亡率はかなり低下することがわかっているため、無症状でもお受けいただくことをおすすめします。

【イラスト】大腸の腫瘍

大腸がん検診の種類

便潜血検査と大腸カメラ(大腸内視鏡検査)があります。

便潜血検査

便潜血検査は、便にごく少量の血液が混ざっていないかを判定します。
もし、その結果が陽性となった場合は、大腸がんの可能性がありますので大腸カメラが必要です。
なお、便潜血検査は早期がんでは陰性となってしまう場合があったり、逆に肛門由来(切れ痔)で陽性となってしまう検査でもあります。

大腸カメラ(大腸内視鏡検査)

初めから保険診療で内視鏡検査を行うこともできます。
内視鏡検査では小さいものであればその場でポリープの切除ができたり、小さながんも発見でき、早期であればその場で内視鏡切除ができることもあります。

急性胃腸炎

腹痛・下痢・嘔吐・発熱などがお腹を中心に症状が始まります。
多くは細菌やウイルスによる感染性の腸炎ですが、一部は食中毒が原因の場合があります。
適切な水分補給で大半が自然に治癒しますが、血の便が出るような重症の場合は抗生剤の投与や入院での加療が必要です。
また、下痢・嘔吐で脱水をきたしている場合は、点滴加療を行います。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは

「下痢」や「便秘」、「下痢と便秘を繰り返す」、「ガスがたまってお腹が張る」ような症状を感じるけれど、大腸カメラやCT検査で異常がない場合、過敏性腸症候群を疑います。
原因ははっきりしませんが、日常的なストレスや生活習慣の変化などを契機に増悪する場合が多いです。ただし、大腸がんなどの大きな病気でも同じような症状がおきることがありますので、一度しっかり検査を行っていただくことをおすすめします。

当院の治療法

治療は、下痢や便秘の症状があれば内服を行いますが、日常の生活の見直しなども大切です。
症状の大変さや生活環境にあわせて薬の調整を行ってまいります。

便秘症

国内のガイドラインでは便秘症の定義は「自発的な排便回数が週に3回未満である。排便をするときに4回に1回は強くいきむ必要がある。硬便である。残便感がある」などです。
体質的に骨盤の角度が急な方が多いため、女性に多くみられます。
必ずしも毎日排便がなくても便秘症ではありませんが、症状があれば便秘となります。
治療は便秘薬の調整を行っていきます。
個人差が大きく、緩い下剤でも、下痢になったりする可能性があります。
そのためお腹の具合をみながら少しずつ調整を行っていきます。

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